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彼岸花を抱いて

第7章 一つの決意、大きな一歩





「あれが貴方の生まれた国です。今日は行けませんがいずれ共に行きましょう」



凛の指差した国を見詰めながら智晃はしっかりと頷いた











「あそこで下ろしてください」




凛が指差した先に広がるどこか神秘的にも感じる国があり、白く立派な城が遠くからでも分かる



グリフォンはそれぞれの国で下ろす指定の位置があり、その場所に降り立つ






「すぐに施して帰られるように此処に魔器職人をお呼びいたしました」

智晃
「いや、いつだよ」


「内緒です」

智晃
「はいはい」




凛の言葉を流してから智晃は辺りを見回す

空気が綺麗な静かな場所で街からは少し離れているように感じた




「やー、やーお待たせしました」




右側から聞こえてきた陽気な声に智晃が顔を向けると背の低い白い髪と長い顎髭を貯えた老爺が杖を振っていた




「ほう、凛さ…「ごほんっ」


「おーこれは失礼しました、儂とした事が」



不自然に咳をした凛を智晃は不思議そうな表情で見るが、笑みを浮かべて誤魔化された




「この若造が儂に刺青を入れてほしいと言っておったのですな?」


「はい、そうです。お願いできますか?」


「あったりまえですぞ!儂にぜーんぶお任せくださいな」



ホッホッと顎髭を触りながら老爺は笑った




智晃
「智晃です。…っと…宜しくお願いします」

呂道
「任せておけ。あぁ、儂は呂道(ロドウ)じゃ…宜しくな若造」



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