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彼岸花を抱いて

第7章 一つの決意、大きな一歩




智晃
「俺グリフォンなんて乗った事ねぇよ…」




目の前にいる鷲の上半身とライオンの下半身を持つ大きな獣を見ながら智晃が呟く

上と下の世界を行き来するにはグリフォンタクシーを使うのだ。





「大丈夫ですよ。優しいですしいざという時には助けてくださいますし」



顔を下げたグリフォンの嘴を撫でながら微笑んで告げる凛



智晃
「…分かった」



智晃はいざという時が来ない事を願ってグリフォンへ近付いた












智晃
「すげぇ…!」



段々と小さくなっていく自分の街をグリフォンの大きな背中から見下ろして智晃は思わず声を吐き出す

グリフォンは翼を羽ばたかせながら力強い四本の脚で空を走る





「もう少ししたら境界線です」

智晃
「境界線、越えたら何が見えんのかな…」




気が付けば智晃は上の世界へ入るのを少しわくわくした気持ちでいた


グリフォンが一つの小さい雲を通り越すとそこには街…いや、国が浮かんでいた





「あの浮かんでいる大きな島みたいなものが一つの種族の国で四つのブロックに別れていて、ワンブロックに三つの国があぁして浮かんでいます」




広大な三つの国を指差しながら凛が後ろにいる智晃に教える




智晃
「じゃあ、あの三つ以外にも他に国がどっかにあんのか?」


「はい、ここからでは見えませんがありますよ」




智晃
(俺の生まれた場所は…何処なんだろう)




智晃は自然とそんな事を考えていた
その気持ちを察したのか凛が一つの国を指差す



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