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彼岸花を抱いて

第7章 一つの決意、大きな一歩




その言葉に凛は理解したように、あぁと微笑み





「私には無理です」

智晃
「え!本当かよ…凛は何でも出来んじゃねぇの…?」


「私にも出来ない事は沢山あります。…魔器刺青を入れるには魔器職人という専門の方々がいます」

智晃
「魔器職人しか出来ねぇのか…けど、ここに魔器職人なんていねーだろ。人間はんなもんの存在すら知らねーぞ」



人間は魔器を出す事も、その刺青を入れる事も許されていない。
だがその前に今、凛が話したものの存在を知らされていないのだ


だからこそ智晃は疑問に思う




智晃
(やっぱ凛は…)




答えのでない疑問を持って凛を見ながら自分が投げ掛けた言葉の返事を待つ





「はい。ですから、上へ一度行くか降りてきてもらうしかないのです……でもそうですね、良い機会ですし上へ行ってみましょうか」

智晃
「えっ!?」




人間も上へ昇る事は出来るし種族も下へ降りてくる事も出来るのだが、頻度というものは圧倒的に少ないのが事実だ。
人間も種族も目立ちすぎてしまうから





「あら、嫌ですか?」

智晃
「だってよ…」


「大丈夫ですよ。一人じゃないですから…ね?」



優しく微笑みかけてくれる凛を見れば、本当に大丈夫な気がして智晃は頷いていた





「決意が出来たられっつごーです!」

智晃
「て、おい!魔器の説明終わりか!?」


「終わりです。しっかりお伝えしましたから」



ニコニコしながら歩いていく凛の背中を智晃は溜め息を溢してからついていく



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