第7章 一つの決意、大きな一歩
智晃
「そんなわけないだろ。スピネル族って最強戦闘種族って…やつだろ?」
母
「そうだよ。母さん達もはっきりと教えてもらったわけじゃないから良く分からないんだけど…その種族を全滅させるために他の種族が力を合わせたって、聞いてるわ」
智晃
「は?…全滅って、何で…最強戦闘種族なんだろ…?」
母
「それは分からないの」
頭がぐちゃぐちゃになってきた
俺は最強戦闘種族スピネル族の息子で
その種族を全滅させるために…っつー事は
智晃
「俺の産みの親?…は、いねぇって事か?」
混乱してるのにどこか落ち着いている自分がいて今聞いた話をうっすらと受け入れてる事に驚きすら覚える
母
「そう…なんだと思う。生きた証だって…言っていたから」
智晃
「………」
俺をその白い人とかゆー奴に預けて助けたって事か?
全滅させるってかなりの激戦なんじゃねぇのか…
俺はディアと戦っただけでもしんどかった
人の事を考えてる暇なんてなかった。
なのに、その人等は自分の命がやばいって時に俺を助ける事を考えてたって事か?
命懸けで…俺を…。
春太も、そうだ…命懸けで俺を。
今聞いた話を理解できたわけじゃねぇ
けど、その人等が俺の産みの親なら…
俺がその、スピネル族とかゆーやつなら
命懸けで助けてもらったこの命を大事にして
俺がしてもらったみてぇに守んねぇと…
自分の大事な人等…守んねぇと。
智晃
「……ふっ」
母
「智晃…?」
色々と決意だったり考えていたら笑いが漏れていたようで母さんが不安気に俺の顔を見る
智晃
「いや、なんつーかさ。現実味ぜんっぜんなくてまだ理解できたわけじゃねぇんだけど…俺って自分が思ってるより幸せ者なんだなって」
母、父
「え…?」
智晃
「俺の事を大事に思ってくれる親が四人もいんだよ?すげぇ幸せ者だろ」
母
「騙されてた…とか、思わないの…?」
智晃
「ま、びっくりはしたけどよ。んな事思やしねぇって。こんなでっかくなるまで育ててくれて、すげぇ大事にしてくれてる親にんな事思ったら罰当りだろ」
母
「智晃…」