• テキストサイズ

彼岸花を抱いて

第6章 祝いと別れ




智晃
「何だ?ここ…」






─ガンッ






智晃
「……っ!」

春太
「ミッドナイトファミリアって…」

智晃
「?」






周りがうねるような闇に包まれていた。
冷たく刺さる空気が漂っているが、俺達の身体が覆われる事はなかった。
凛が福留の言葉と同時に詠唱したものが俺等を守ってくれているのだとすぐに理解した



春太の呟きに問おうとした時に凛が発した








「ミッドナイトファミリアとは対象の周りを闇で包み、その対象を闇の中で使い魔に襲わせるという魔法です」

智晃
「使い魔って……─っ!」





その瞬間、小さな何かが音をたてて俺等を囲う壁にぶつかる





智晃
「これか…っ」

春太
「大丈夫、俺等は襲われない。凛ちゃんがシールド張って守ってくれてるから…かなり消費するだろーけど、凛ちゃんは魔法力が高いようだからこれも保たれてる」

智晃
「凛が…」





俺は掌を翳したままの凛を見る







「春太が言ったように、これくらい平気ですよ」






─ガンッ






─ゴンッ







─ガガッ







智晃
「すげぇ数だな…何か、手はねぇのかっ?」





体当たりを繰り返す闇の中に浮かぶ赤い目の使い魔を見て焦りは募るばかり







「春太」






春太に視線を向けず前を見据えたまま凛が声を掛ける





春太
「…何?」


「ゴッドクリナップ、出来ますよね?」

春太
「………。出来る」




二人の会話に俺は黙ったまま首を傾げる。
その魔法が何なのかはわかんねぇ…けど、今の打開策であり魔法力がある程度あるだけで出来るもんじゃねぇのは、分かった気がした



/ 153ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp