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彼岸花を抱いて

第5章 不安定と再戦




ディア
「………」

智晃
(きた…!)




芝を蹴ったディアが間合いを詰め思い切り踵を落としてくるのを何とか腕で防ぐが、強さの反動で身体が後ろへ吹き飛ぶ




智晃
「…く…っ」




こいつは本当にディアなのか?
力もスピードもこの前と比べ物にならねぇくらい違う



どうしたら良いんだ?
俺は何をすれば良い?
凛ならどうする?
いや…凛が出来る事は俺には出来ねぇ




智晃
「か…はっ…!」



立ったまま考えていた俺の脚元に気が付いた時にはしゃがんだディアがいて思い切り脚払いをされ、地から浮き上がり後ろに倒れそうになる前に既に立ち上がっていたディアにボールのように脇腹を蹴られ

吹っ飛んだ身体はゴロゴロと芝の上を転がる




智晃
「くっそ…考えてる、暇ねぇ…!」



ゆっくりと脚をおろしたディアが近付いてくる



ディアが一歩、近付く度に心臓のスピードが上がり焦る一方


既にボロボロになった身体を引き摺りながらディアと何とか距離を取ろうとするが、座ったままでは距離はそんなに変わらない




ディア
「………」




ディアが背中に手を回すと気が付かなかったが鞘があったようで、かちゃっと音をたてて剣が姿を現す



智晃
「それは…流石に、シャレに…なんねぇな…!」



俺は身体に鞭を打って立ち上り口の端に流れた血を手の甲で拭って笑う



智晃
「当たんねぇように…、避けてやら…っ」



その言葉を合図にディアは芝を蹴り俺へ突進するように飛んでくる



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