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彼岸花を抱いて

第5章 不安定と再戦




そういう奴等を嫌という程、見てきた
見てきて…魔法が嫌いになった。

何もないくせに自らの地位確立の為に
大して凄くもねぇ魔法を使って悪事を働く。
…出来る事なら魔法を使いたくねぇ。


ただ、凛が言っていたように力業だけでは限界がある
助けられるもんも助けらんねぇ。





智晃
「はぁ…帰るか」





息抜きに来た筈だったのに気が付けば最近の事や負の事ばかり考えて疲れた



立ち上り帰ろうと思った時に何かぴりっとした違和感を感じて草原を見渡す。




智晃
(何だ…?)




ぴりぴりした空気に胸騒ぎがして落ち着かない





─ドォンッ




智晃
「ぐぁ…っ…!」



何が起こったか分からなかった。
背中が痛ぇ…苦しくて、息がし辛い…。
これ…蹴られたのか


倒れた身体を軽く起こしながら顔をあげると







智晃
「…っ…ディア…!?」




先日、戦ったディアの姿に俺は驚きつつもゆっくりと立ち上がる。
何でディアが?
人間を襲わないは血だけの約束だったのか?
いや、んな筈がない…
人間に危害を加えないっつー意味もある筈だ。
なら何でだ?何でディアは俺を襲った…?


先程感じたぴりぴりした空気を肌で受け止め、俺はこれが殺気であるのだと理解した



智晃
「ディア、襲わないっつー約束はどうしたんだよ…!」

ディア
「………」

智晃
「聞いてんのかよ…!」




おかしい。
明らかにディアの様子がおかしかった。


前に会った時のような楽し気な笑みも言葉もない。
まるで感情が無くなったみたいに“無”だ




智晃
「気持ちわりぃな…この感じ」



焦燥感が全身を染め上げる



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