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彼岸花を抱いて

第4章 安定と初陣




凛は嬉しそうに手を叩いて微笑んだ。




智晃
「も、もし約束を破ったら?」


「その時は…そうですね」




考えるように顎に手を添えた凛を智晃は見詰めていたが、すぐに声を上げた



智晃
「いや、やっぱ良い!答えんな!」


「そうですか?」



きょとんとしながら首を傾げる凛に智晃は何度も首を縦に振る



智晃
(こいつならきっと物騒な事を言いやがる…)



一人で納得しながらも、智晃はひょっとしたら自分が思っているよりも凛は強くて恐ろしいのかもしれない、と考えてしまった。






「一人で良く頑張りましたね」

智晃
「結局ボロボロになって凛に助けられちまったけどな」



苦く笑う智晃へ凛はとても優しい笑みを向けていた




「でも、貴方なら死ぬ事はないと思ってました」

智晃
「また変な言い方すんじゃねーよ」


「ふふ、すみません」

智晃
「ったくよ」


「立てますか?」

智晃
「おう、凛が痛みをとってくれたからな」




ゆっくりと立ち上り制服についた砂を軽くはらう







──────────







春太
「おい!おいおいおいおい!どうしたんだよ、その怪我!」

智晃
「あー…いや…」


「男の勲章です!」

智晃
「何でだよ!」





翌朝、片頬が腫れた状態で登校した智晃に春太は食い付く。
どう返答しようか迷っていた智晃の代わりに返したのは後ろに居た、楽しそうな凛の声だった



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