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彼岸花を抱いて

第4章 安定と初陣





「シルバージャッジメント」





静かに呟いた瞬間、男の上に光が注ぎそれと共に数多の小さなナイフが勢い良く注ぎ込まれる





「………っ」





身体能力の高い吸血鬼は軽い身のこなしで小さなナイフをかわすが、完璧には避けられなかったのか黒いシャツの袖が僅かに破れ赤が覗いていた。





「何だ君…ただの人間じゃないんだ」





片方の口角を上げながら男は言葉を吐き出す




凛が掌を翳す






「クラック」





呪文を詠唱し地割れを起こす。





「…っ……ヘイル…!」





地割れを避けつつ掌を向け詠唱すると凛の上から雹が降り注ぐ






「ベントゥスウォール」





掌を上へ向けると風が回転し壁を作り雹を弾く





「想像以上…!」




地面に着地するのと同時に掴んだ木の枝を凛の顔へ投げ付けると、彼女は顔を腕で庇う






(…今度は気配を消しての攻撃…というわけですね)





その一瞬で凛の前から男は消えていた。
どこに行ったのかと凛は神経を集中させて男の居場所を探る


まだ何かある筈、そう思った凛は右太腿の側面へセーラーワンピースのスカート上から手を触れる




すると、どこからともなく凛の手に彼女より大きく真っ白で、刃に薄水色のダリアが刻まれた鎌が出現した。






「さて…」





男がその出現させた鎌に驚き息が漏れたのを聞き逃さなかった凛は、自分より大きな鎌を片手で軽々と槍のように投げると鋭利に尖った柄の先端が、隠れていた男の左太腿に刺さる



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