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彼岸花を抱いて

第4章 安定と初陣




智晃
(どうやれっつーんだよ)



自分にはそこまで出来る程の攻撃魔法も身に付けられているわけでもない為、智晃は悩んでしまった



すると、横の森になっている方から気配がすれば智晃は迷わず飛び込む



智晃
「…っ……くそ…!」



智晃が森へ飛び込んだのを見ていたのか、彼の身体は金縛りにあったように動かなくなってしまう。
必死に身体を動かそうともがくが、中々とける事がなく智晃は額に冷や汗を浮かべる





「つーかまーえた」





その時、智晃の耳に届いたのは楽しげに笑っている女の声だった




「普段は怖がって皆、自分で入ってくる事なんてないんだよー?もしかしてお馬鹿さんなのかなぁ?それとも…」

智晃
「………っ」


「私を捕まえにでも来たのかな?」




突然、智晃の目の前に姿を現した髪を巻いた露出度が高い女は吸血鬼の特徴である牙を覗かせて妖しく笑っていた




智晃
「まじで吸血鬼だった…っ」




あの時は二人のただの予想だと思っていたが、実際に目の当たりにするとそんな事を呟いていた



「ディア」

智晃
「は…?」


「あたしの名前。ディアって言うの」

智晃
「そんなんどーでも良いだろ…っ」

ディア
「えー?良くないよ。…襲ってきた奴の名前、知りたくなぁい?」

智晃
「あっそ。そりゃご丁寧にどーもっ」




未だ魔法の拘束を解こうと身体を動かそうとするが、やはり出来なくて
そんな事をしている間にもディアはゆっくりと智晃に近付いていく。




そしてとうとう手を伸ばしたら触れる距離までディアは辿り着いてしまい、智晃はどうしたら良いのかも解く魔法すらも思い出せない程に焦ってしまう。




ディア
「ふふっ…いただきまぁす」





舌舐めずりをしてから呟くと、智晃の肩に手を乗せて鋭く尖った牙を晒して大きく口を開けた






智晃
「……っ…!」



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