第4章 安定と初陣
凛
「そこで、智晃にも協力していただきたいのです」
智晃
「嫌な予感しかしねぇんだけど…?」
──────────
智晃
「はぁ…やっぱこうなった…」
智晃は暗く街灯も少ない道を歩きながら溜め息と共に呟くも、それは闇の中へと吸い込まれる。
智晃
「まぁ、でもこんだけ人も住居も少なけりゃ襲う場としては最適だろーな」
被害に遇った人達は決まって夜に襲われるという事だった為、智晃は凛に指定された襲い場の一つへ駆り出されていた。
もう一ヶ所には凛がいる。
一定の速度で怪しい人物がいないか見回しながら歩き続ける
智晃
「つーか、あいつ意外とワイルドっつーか恐ろしいっつーか…」
吐き出しながら先程の凛の作戦とは言い難い言葉を思い出していた
智晃
『けど、一回だけだと全体か一部か分かんねぇだろ?』
凛
『え?そんなの簡単ですよ?』
智晃
『何でだよ』
凛
『捕まえて問い詰めれば良いのです』
智晃
『……は?』
凛
『出来れば、反抗してこれないくらいにはボロボロにした方が良いですよ。隙を突かれて返り討ちになったら笑えませんからね』
いつも通りのゆったりとした口調で恐ろしい事を言ってのけた凛に、智晃は何度目かの溜め息を吐く。
そして、智晃は思うのだった…
智晃
(あれは経験者の言い方だな…)