• テキストサイズ

彼岸花を抱いて

第4章 安定と初陣




それなら何故、春太がこんな事を話題にしたのか





「おかしいですね」

春太
「だろー?奴等は死んだばかりの人間の血しか飲まねぇ筈なのに生きた人間を襲ってんだよ」




そうなのだ。今まで人間と擦れ違っても襲う事などなかった。
血を食料としているが、それは生きている人間からではなく死んだばかりの人間からだ。





「何か理由があるのでしょうか」

春太
「理由?」


「はい。例えば…生きたままの人間の方が美味しい、と気付いてしまったとか」

智晃
「もしそうだとしたら、危険すぎるだろ」

春太
「確かになぁ」


「ですが、これはあくまで例えばの話です」




これから話が盛り上がる…そんな時に授業が始まる鐘が鳴り、強制的に打ち切られてしまった





──────────






「まずは、あの話が吸血鬼全体で起こっている事なのか一部が勝手に行っている事なのか…調べる必要があります」

智晃
「は?調べるってどうやってだよ」




放課後、当たり前のように廃工場へ来た二人は昼の会話を話題にしていた





「春太の話を聞いてから簡単に情報を集めてみたのですが、どうやら二ヶ所でしか起こっていないようなのです」

智晃
「だったら、一部の奴等が行ってるって事じゃねぇの?」


「それは分かりません。吸血鬼全体でだとしたら、そこの二ヶ所を襲う場として日替わりで交代で行っている可能性もあります」

智晃
「………」


「ただ…それは、一部が行っていても言えてしまうんですよね」

智晃
「……え」


「結果、二ヶ所が襲う場という事しか分かっていません」

智晃
「おいっ」



笑いながら答える凛に智晃はただ呆れるばかりだった



/ 153ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp