第15章 この世界の事
そして、凛はもう一つの説明も始めた
凛
「この世界は四つの地域に分かれています。一つの地域には三つの国が存在していて、ここフリデールが位置しているのはイースト地域です。まだお会いしていない種族もいるので今分かっている種族の国だけお教えします」
智晃
「分かった」
【イースト地域】
フリデール…セレナイト族が暮らしていたが、今は逃げてきた種族が暮らす国
バーリフェルト…スピネル族が暮らしていた国
【ウェスト地域】
ブレンバリ…シリカ族が暮らしていた国
ダプラ…黒羽族が暮らしている国
オルシャ…貝青族が暮らしている国
【サウス地域】
ローゼット…モルガナイト族が暮らしている国
シーヴァ…ギベオン族が暮らしている国
凛
「そして、あと一つがノース地域です。そこの地域の方とはまだお会いしていませんので省きますね」
智晃
「多分理解できた…と思う」
凛
「大丈夫ですよ。また説明しますし」
その言葉に智晃は有り難いと肩の力を抜いた。
だが、気になった事を口にする
智晃
「その、暮らしていたっつーのは何だ?」
凛
「そのままです。かつて暮らしていた…という事です。残念ながら、今は暮らしていないのです」
智晃
「そう、か…」
その言葉と彼女の悲しげな表情に智晃は眉を下げた。
空っぽになってしまった国があるのだと、苦しい気持ちになった。
そういえば、凛には妹がいた筈だ…その妹は何処に?と智晃はふと思った。
だが、もしもあまり良くない答えが返ってきたら…そう考えた智晃は聞かない事にした。
凛
「今日は智晃を連れていきたい所があります」
切り替えるように凛は明るい声を上げた。
智晃はその声に反応するように首を傾げる
智晃
「連れていきたい所?」
凛
「はい。来てください」
立ち上がった凛は此処に来る前と同じ様に首にあるリングを撫で大福を出現させた