第15章 この世界の事
大きなホールから出た智晃は綺麗に花が咲いている庭へとやって来て置いてあったベンチに腰掛ける。
凛
「智晃。お疲れ様です」
智晃が振り返ると、先程までホールの中心に居た凛が立っており、ゆったりとした動きで智晃の隣へ腰掛ける。
智晃
「ああいうのは事前に言っておいてもらえると助かるんだけどな」
凛
「あら、私…言ってませんでした?」
智晃
「言ってねぇよ!」
凛
「すみませんでした」
智晃はまったく、と息を吐き出した。
すると、凛はぽつりと話始めた
凛
「此処に暮らしているのは皆バラバラの種族です。国民であれば申請をしていただいてこの国の民として認めている事が多いです。ですが、今回のように城内で紹介するのは稀なんです。…此処で暮らす方と言うのは…そうですね、簡単に言ってしまえば幹部、ですかね」
智晃
「幹部?……は、俺がって事か?」
凛
「そうです。なので、城内で紹介をしました。あの四人と智晃はこの国に暮らす人達より秀でているものがあるので此処で暮らす幹部という事になります」
智晃
「はーん…?」
あまり現実味のない言葉に智晃は曖昧な返事をする。
それに対して凛は微笑み
凛
「分かりやすいので使いましたが私は幹部という言葉があまり好きではありません。なので、城内の者は他者や国民を守るために仲間になる者…としています」
成る程、と智晃は思い守るために…そう考えれば何だか納得できるような気がした。
凛が、ぱんっと軽く手を叩くと智晃は彼女へ顔を向ける
凛
「智晃も持っている魔器については出現のさせ方しかお教えしていなかったので、簡単に特徴だけお教えしますね?」
智晃
「特徴?」
凛
「はい。同種族は髪色が統一されていますが、統一されているのはもう一つあります」
智晃
「それが魔器か?」
凛
「はい。魔器も同種族で統一されています」
智晃
「へぇ、成る程な」
種族は苗字、髪色、魔器が統一されている事を智晃は知った。
セレナイト族や黒羽族のように瞳の色も統一されていたり、貝青族のようにヒレ耳や鰭脚も統一になっている種族もいる