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彼岸花を抱いて

第14章 新しい生活 新しい仲間




凉晴
「全部、済んだか?…そろそろ遅いし、早く休め」

智晃
「え…凉晴?」


姿を現したのは凉晴だが、智晃はその姿に驚いた。
人間に混ざっていた時に見た黒髪ではなく
全体的に髪色は銀でグラデーションの様に毛先が青くなっていた。
智晃は聞いたばかりのハーフの話を思い出す


凉晴
「何だ」


自分を見て驚いた表情をしている智晃に凉晴は眉間にシワを刻んだ。


智晃
「あ、いや…何でもねぇ。悪いな」


答えを知りたくて智晃は視線を無意識に凛へ向けていて、それに気付いた彼女は理解したのか頷いてくれた。
…凉晴はハーフなのだ、と。

ただ、聞いたところで教えてはもらえないだろう。
少なくとも今の自分には…と智晃は思い、彼に強くなったと認めてもらえるようにも頑張ろうと思った



「さて、凉晴が言っていた様に今日は遅いですし休みましょうか」

智晃
「おう」


三人で歩いていると智晃の部屋に着き先にそこで別れ、その近くにある凛も自分の部屋へと帰りそれを見届けてから凉晴も自分の部屋へ帰った。




翌日、扉をノックする音が智晃の部屋に響いた


智晃
「ん…。あ、そうか…俺、凛の所に…」


昨夜、環境が変わった事でなかなか寝付く事が出来なかった智晃が眠れたのは空が白んだ頃だった。
その為ノックされるまで眠ってしまい、慌てて起き上がり扉を開く


凉晴
「何だ、まだそんな格好なのかよ。…早く準備しろ」

智晃
「へ…あ、おう。ちょっと待っててくれ」


昨日、部屋を見て回った所クローゼットには洋服が入っていたため智晃は慌ててそれを纏い、寝癖でぼさついた髪を軽く整えると部屋を出る


智晃
「悪い」

凉晴
「嗚呼。…行くぞ」

智晃
「え、何処に?」

凉晴
「来たら分かる」


相変わらず言葉の少ない凉晴に首を傾げつつ大人しくついていく事にした。



暫く歩くとどの部屋よりも絢爛な扉が見えて、脇には侍女らしき人物が二人控えており凉晴が其処で脚を止める。
息が詰まりそうな程の扉の存在感に智晃は緊張した。
だが、その智晃の緊張を他所に凉晴は侍女に視線を送り
それに従う様に彼女等は絢爛な扉を開く



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