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彼岸花を抱いて

第14章 新しい生活 新しい仲間




ばっと歩く道を導く様に床へ伸びる赤い絨毯から視線を滑らせると、脇には家臣であろう人物達が並んでおり、少し高台になっている場所にある豪華な椅子に腰掛ける凛の横には昨日紹介された人達が並んでいる

智晃はその光景に圧倒されて後退りをするも、凉晴に進むよう促され恐れる脚に力を込めて絨毯を踏む。
脚音のたたない絨毯を凉晴と歩き高台の下に着くと、凉晴は上に並んだ


しんと静まり返る厳かな空気の中に響き渡る澄んだ声




「皆さん、様々な種が暮らすこの国に新たな仲間が加わりました。彼はスピネル族の赤越智晃です。…智晃はこの城内で過ごす事になります」


ただでさえ澄んだ凛の声はこの空気に更に通る。
だが、何の説明だと智晃は戸惑った…先に何か言っておいてくれても良かったのではないかと。
戸惑う智晃を置いて話は進んでいく



「改めて我々から貴方に」


凛がそう告げると左端に立っていた智晃を此処へ案内してきた彼が一歩前へ出て


凉晴
「ギベオン族と貝青族(カイセイゾク)の混血。銀 凉晴(シロガネ スズハル)」


此処ではご法度だと言っていたそれは存在していないようで凉晴はそのままの事実を述べる。
ギベオン族は銀の髪が特徴の種族
貝青族は別名マーメイドと呼ばれており、青い髪とヒレ耳に鰭脚が特徴の種族だ。

そして、次に一歩前へ出たのは


志津梨
「モルガナイト族。桃野志津梨」


モルガナイト族は桃色の髪が特徴の種族。

その後に右端に立っていた変人と呼ばれた彼が一歩前へ出る


由岐平
「シリカ族。柴藤由岐平」


シリカ族は紫の髪が特徴の種族。
そして、一人だけ和服の彼女も前へ出て


壱樺
「黒羽族(コクバゾク)。黒榮壱樺」


黒羽族は黒い髪に紅い瞳と和服が特徴の種族
最後に立ち上がったのは神々しい彼女



「セレナイト族。珀桜花 凛(ハクオウカ)。…我々を宜しくお願いします、智晃」


セレナイト族は白い髪と肌にサファイアブルーの瞳が特徴の希少種族。
彼女がお辞儀をすると周りの四人、そして家臣等も深々とお辞儀をする。
智晃はそれに慌てて自らもお辞儀をした。

そうして、智晃が戸惑っているうちに厳かな行いは終わった



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