第14章 新しい生活 新しい仲間
疲れた様に笑う彼女を初めて見た智晃は、由岐平という男は要注意人物なのかもしれないと思った。
智晃
「種族の髪って…一色じゃねぇのか?」
由岐平の肩まで無造作に伸ばされた淡い紫の前髪半分が黒くなっている、特徴的な髪を見ながら智晃は凛に問う。
凛
「はい。同種族ですと濃さは異なりますが髪色が一緒です。二色になるのは混血のみです。ただ、別種族同士が結婚するのはご法度ですので多くはいません」
智晃
「混血…ハーフって事か。え、て事は由岐平さんはハーフなのか?」
由岐平
「そうなんだよぉ」
彼の両親はご法度を越えて…と関心な様なものを智晃はした
凛
「いいえ、彼は研究に失敗してそこだけ黒くなってしまっただけです」
智晃
「…は?」
由岐平
「凛、バラすの早いよ」
凛
「嘘を吐くのが良くありません」
智晃
「一体どんな研究…」
騙された、一瞬はそう思ったが智晃はどんな研究をしたら髪の色が変わるんだと不思議に思った。
由岐平という男の瞳は暗めの黄色で形は垂れていて柔らかい印象を持つ。
Vネックの赤紫Tシャツに黒の長め薄手コートを羽織っており、ボトムは濃い紫を纏ったしゅっとしたスタイル。
凛
「こんな感じですが、とても優秀です」
由岐平
「凛…そんな風にボクを紹介してくれるなんて」
感動した様子の由岐平が両手を広げて凛を腕に収めようと近付くと、彼女は片手を胸板に当てて拒否をしたが由岐平は傷付いている感じはない
智晃
「あーっと…まぁ、宜しく」
由岐平
「うん、宜しく」
結局、自分で名乗る事は無かったが由岐平が名前を知っていたので特に気にする事もなかった。