第13章 忘れない
翌日の夜─…
智晃はなるべく荷物は少ない方が良いと思い、首にかけている春太のネックレスと家族写真だけを持って行く事にし、家族三人で家の外へ出る
すると、既に凛と凉晴は居て。
お辞儀をする凛に智晃の両親は不思議そうに首を傾げた
母
「凛さん?…どうして、貴女が?」
父
「それに隣の彼は…」
凛
「ずっと内緒にしていてすみません。…私は貴方がたに智晃を預けに来た時の者です。それと、彼は私の仲間の凉晴です」
紹介されると凉晴は軽く会釈をした。
だが、両親は理解できていないようで視線を彷徨わせていた
凛があの時の白い天使の様な人が彼女である事が信じられなかった
母
「な、何を…言っているの?」
凛
「そうですね…」
言葉で言うより…そう思った凛は智晃に見せた時の様に指をぱちんっと鳴らした。
すると、彼女の身体が淡く光…
両親
「……っ」
光がなくなって見えた姿に二人は声もなく驚いた。
腰まで伸びる真っ白な髪と白い肌に丸く大きな瞳の中で宝石の様に輝くサファイアブルー
それはまさに二人があの日見た天使の姿だった。
神々しく見える姿に目を細め
母
「まさか…本当に貴女が…」
凛
「はい。…此処へ来て家にお邪魔した時にお二人がとても幸せそうで、凄く嬉しかったです」
その言葉に智晃は凛を初めて家に招いた時、両親を見て優しく嬉しそうに見詰めていた彼女を思い出した。
智晃
(…そういう事だったのか)
父
「凛さん…あの時うちを選んでくれて、本当にありがとう。君のお陰で幸せな毎日を過ごせた」
母
「こうして直接、貴女にお礼が出来て良かった」
凛
「そんな風に言っていただけて良かったです。私こそありがとうございます。智晃を素敵に育ててくださって」
凉晴
「………凛、そろそろ」
凛
「分かりました。…智晃」
三人で会話をしていると控え目に凉晴が声を掛け、凛はそれに反応して頷き智晃へ視線を向ける。
すると、智晃は頷き両親の前に出た