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彼岸花を抱いて

第11章 不思議少女の抱えているもの





「知っているけど…こんな事をしなくても…。そんな負のものを呼び起こさなくても良いじゃない…」

謎男
「はぁ……もうお喋りは終わりだ。…どっちからだ?」


そんなもののために…私の大切な人をこの人は奪おうとしてるの?
ふざけないでよ……。



「俺か…「私よ」


「何を…」


「私は貴方に見送られたいの。それに、貴方が殺されるのを見たくないの…最期の、我が儘よ」

父、凛
「……お前/母様…」



ねぇ…勝手に進めないでよ…。

覚悟を決めたような父様と母様を見ていると頭に靄がかかるように何かが包み込んでくる感覚に襲われる
まるで…別の何かが私の中を飛び回って操るような…そんな何……か…









「……や……め、ろ……」

謎男
「あ?」


「二人…から、………離れ…ろ…」

父、母
「凛……?」

謎男
「黙って見てろよ。両親が仲良く死ぬのを」







「……二人から……離れろおおおおおおっ!!!!」









【NO side】



─バンッ バリンッ…!




凛のだけではない何かが混ざった様な声が響いたのと同時に、龍のような黒い渦が現れ飲み込まれると照明や硝子が音をたてて割れた。



「な、何だっ!?…うおっ…!」

「ぐ、があっ…!」


そして、次に聞こえるのは謎の男を囲んでいた者達の絶命音。


愛娘の変化に両親は心配と戸惑いが混ざる瞳で見詰め慌てて声を掛ける。
向こうへ行かないで…そう願いながら。



「凛が…落ち着いて…落ち着きなさい、凛!」


どんなに声を張り上げても声は届かない。
彼女の瞳が闇に包まれそうになった、その時─…



湾曲の二つ角を持った男…破壊神ディガット
美しく光を放つような女…創造神ルティナス

全てを造り出した者と全てを破壊できる者が共に現れたかと思えば、ルティナスは肘にかかる羽衣を揺らしながら周りに壁を創りこれ以上、被害が広がらないようにした


ディガット
「お前等があの子を止めるんだ。お前等にしか、止められない」


その間に柱に近付いたディガットが両親と凛の拘束を解くとすぐに愛娘へ駆け寄る



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