第11章 不思議少女の抱えているもの
母
「……凛!」
凛
「あ、母様!」
名前を呼ばれて振り向くと慌てて下りてきた母が居て、凛は笑顔で駆け出し母に抱き付いて見上げた
凛
「今あの人にね……あれ?」
魔法を教えてもらった、そう言おうと振り向くとルティナスは消えていた。
それが創造神ルティナスとの出会い…。
両親は凛の口から破壊神ディガットと創造神ルティナスの名を聞いた時、驚いたのと同時に今よりも周囲に気を配り…自らでも身を守れる様に教えた。
そして、凛が国民からも愛される娘に立派に成長して安心した頃…それは起こった─…
立派に成長はしたものの今よりも若く力が弱かったが、他の種族が敵うものではなかった。
だからそれは…徐々に込められ計画的に進められていた。
一人で明るい林を散歩していると複数の別種族に囲まれた。
普段の凛だったら簡単に勝てた…筈だった。
数日前から調子が悪いのだ…詠唱しようとする声にも身体にも力が入りづらく、体力の消耗も早かった。
凛
「何で…」
当時の凛には気付けなかった。
使用人が運んでくるスープ。…それには微量に毒が混ぜられ毎日、少しずつ摂取させられていた事に…
だから…簡単に─…捕まってしまったのだ。
【凛 side】
凛
「うっ……此処、は…」
謎男
「おぉ、目が覚めたか?」
目が覚めると見た事もない場所に居て、手脚を鎖で柱に固定されていた。
視界に映る男を睨みながらも取れないか試したが特殊な素材で出来ている様で無駄だった。
「凛…っ」
聞き覚えのある声がして、目の前の人から視線をずらすと私と同じ様に少し離れた所で、父様と母様が拘束されているのを見付け…驚いた