第10章 新米探偵に依頼あり
凛
「ここにも特殊な方が居たんですか」
零
「ん?何かな」
凛
「いえ、仲間の中にも私をコレクションにしたがる特殊な方がいらっしゃるんです」
零
「はは、その人とは話が合いそうだ」
凛
「ふふ…貴方には無理ですよ。彼は優秀な変人ですから」
零
「そうかい…それは、残念だ」
残念、そう述べているが明らかに残念がっていないその姿に凛は小さく首を左右に振った。
それから、歩みを進めると一つの大きな扉があり鍵を開けると彼はその中へと凛を促した
凛
「これは…」
零
「綺麗でしょう。これが私のコレクション」
凛の目の前に広がったのは明りが照らす大きな硝子の中には、何人もの女性が液漬けにされていた
凛はその異様な光景に珍しく眉間にシワを刻むも、すぐに笑みを浮かべ
凛
「ええ、とても趣味の悪いコレクションです事」
零
「はは、何とでも言ってくれ。…この中でも君は一番のコレクションになる…。嗚呼、怖がらなくて良い。これは特殊な液でね…最初は苦しいと思うけど気付いたら自分が見たいものが見れるんだ…夢を永遠にね」
その言葉に凛は彼女達がまだ生きているのだと理解すれば、知らぬ間に安堵の息が溢れていた。
そして、彼女達が生きていると分かればやる事は一つしかないようで
凛
「あの、一つ条件があります」
凛からの言葉にコレクションと呼ばれる女性しか見ていなかった零の気味が悪い瞳が凛へと向けられ、不思議そうに首を傾げた