第3章 一章
部室の前まで行くとソワソワと扉の前を行ったり来たりしてる女の子がいた。昨日食戟をした相手、水戸さんだ。
「あら?どうかしたの??」「い、いや、あのアタシは」
「小西くんまだ来てないのかしら?」
遅刻とはいい度胸だ。と思い扉を開ける。と小西くんがいた。
「おっ!先輩。おはようございます。大丈夫っすか?」
「ヘーキよ。小西くん。って一人だけ?」「あ、あのアイツ、幸平は」
「あー、アイツならあの後」
水戸郁魅に見事勝利した幸平創真。小西もその健闘を讃え、次代を担う逸材として丼研を任せようと意気揚々と声をかける。とたった二言
『嫌、入らないっすよ』
唖然とした。
曰く、『見学に来ただけで、成り行きで食戟を受けただけで入部する気はない。時々遊びに行くんでヨロシク』
「・・・・という訳っす」
「そういえば、見学云々言ってたね。まっ、時々遊びに来てくれるんだしいいんじゃない?ウフフ」
嫌な予感がしてニッコリ微笑む
「そっすよね!アハハハ!」
釣られて小西も笑う。
「ところで先輩。今回の件で部員が俺と肉魅の二人しか居ないんすけど、・・・部として成り立つんすかね?」
「あー、どうだろう?一応丼物研究同好会で通したよ。部としてはあと二人いれば成り立つんじゃない?」
片膝をついて私の手を取る。
「・・・先輩、俺と一緒に「ごめんなさい。私、貴方とはずっと只の友達でいたいの」・・・先輩、最後まで言わせてください。それとずっととか只のとか地味に凹むっす」
「まぁまぁ、部費も前より増えたし、君に人望がなくても、実力派の優秀な部員が来てくれたんだし、部員なんてすぐに集まるよ。ねっ!」水戸さんに微笑みかけると「えっ!あ、いや、まぁ」
少しぎこちなく頷く。
「先輩、実は俺のこと嫌いですよね?まぁ、とりあえずお前が丼研の首領だ。肉魅!これから俺たちで丼研を・・ぶへら」「肉魅って呼ぶなぁ!!」
小西くんに関節技を決める水戸さん既に打ち解けているようだ。 何やら賑やかになりそうだ。丼研は。
出世祈願に少し投資してやるかと考える神菜なのであった。
(あ、そういえばこの間の食材のおつり、まだ返してもらってないよね)(ぅう!?)(小西くん?)(こいつ、ダメ人間だ。)