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幸福のレシピを貴方に。(食戟のソーマ)

第3章 一章


「ふいぃー、ご馳走様でした!」
「お粗末様でした。」

時間はあるし何か作ると言ったが、山のように積まれた書類を一度目視した後丁重にお断りを入れられてしまい、仕方なく自分のお弁当箱の中のおにぎりを一個渡すだけとなった。

「それにしても、リンちゃん遅いなぁ。そろそろ来てもいい頃なのに」
今日はみんな来ないと伝えるべきだろうか?彼女のメールならば竜胆は1つ返事でこちらに来る事だろう。

「アキちゃんも、どこまで買いに行ってるんだろう。」
「自販機から遠いからね」

評議会執務室は理事棟と呼ばれてる。場所にあり景観を損なうという理由で自販機はない。

「いや、この間自販機や喫煙用のスペース作ったけど」
「・・・・嘘」「いや、本当だって。理事長直々に頼まれたもん。アキにも教えておいた筈なのに」
衝撃の事実である。普通作れないと思うのだが、というか料理学校で喫煙スペース作っていいものなのか。

「あとで案内するよ。」「頼むよ。代わりにお茶入れようか?」
「いや、アセロラジュースが飲みたいんだって」
普段飲み物や食べ物に頓着をしない彼女だが、今日は何故か頑なだ。

「書類整理について気遣ってくれてるのかもしれないけど不要だよ?よくある事だし」
自分で言って悲しくなるが事実である。

「それも問題だけど、いや、この書類の山見たら頼むのも気が引けるし、何より今はアセロラジュースが飲みたい、物凄く」
アセロラジュースに対する執着が強いらしい。

それなら早めに帰ってきてもらうか、二人きりでいることは久しぶりなのだが、彼女は意識してないらしい。

それは男として少し悔しいものがあり、


「・・・・・」

無言で席を立つと神菜の後ろに立つ。普段頸で一括りしている髪は珍しく降ろされていて、真っ白な頸が髪の間から覗く。

吸い寄せられるように唇でそこに触れるとビクリと身震いをしてこちらにへと振り向く。

そのまま薄紅色の唇に自分のソレを寄せようと顔を傾けた瞬間に



「ただいまー!」「よぉーーっす、神菜ー竜胆さんが来てやったぞ」


大体、いつも、邪魔が入るのだ。

軽く挨拶をしている時に、折敷が含みのある顔でこちらを一度見てから、神菜の元に向かう。


(あんた、首にキスマークついてるぞ)(!?)






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