第3章 一章
「ごめん。主。今回ばかりはみんなの意見に賛成だよ。」
優しく諭す様な口調で近侍のは答えた。
「なんで・・・?」
「さっきも言った通り、みんなの意見の方が正しく聞こえたからだよ。君は注意すると言ったが今回の様にまとめて襲いかかられたら主だけじゃない。あの学校にいる生徒達にも被害が出るかもしれない。」
「でも!」
「出陣や遠征に関して疎かにする気はないよ。ほんの少し本丸を留守にする人員が減るだけ、」
「政府は・・・遡行軍を一早く殲滅することを望んでます。私事で時間を割く訳には」
「うん、そうだね。今回の件何の措置も取ってくれなかった。多分主を捨て駒にしようとしてる」
「そうでしょうね」
私が死んでも代わりはいるのだから、そうやって捨て駒にするだろう。祖母達の様に
「遡行軍殲滅が優先というなら別に君の護衛に何振りかついた方が効率的だよ。審神者が本丸外にいるというのはそれだけリスクがある事だから」
「それは審神者不在の本丸も同じ事です。私よりも・・・」
「勿論、妹御の護衛もこちらが責任を持ってやるよ。でも、主人に何かあれば、それも叶わなくなる。僕達は君の霊力で動いてるからね。」
正論であった。
「・・・・敵を見つけたならば脇目も振らず、敵を逃すことなく、人目につくこと無く、我らが怨敵を悉く誅伐すると誓えますか?」「それで我らを貴女の傍に侍らせてくれるならば喜んで。」
断る事はついぞ出来ず、折れるしかなかった。
「それと、燭台切光忠。学校の備品が壊れてしまったのですけど、政府から一切の処置も見込めないのかしら?」
うっかり壊してしまったと多少誤魔化しは聞くだろうが、直すとなると、些か骨が折れる。
「それに関しては、参議の審神者殿が進言もあって、有志を募って頂き、明後日以降に修繕を行うって、明日は術師の方が目くらましで対応すると連絡が」
「・・・そう」
ひとまず安心した。