第3章 一章
「で、結果どうなったの?」「止さぬか、茜ヶ久保。」「そうだぜー?ももぉ、本当の事いうのは可哀想だろ」
「竜胆、おまえも黙っててやれ」
「みんな、うっさいです。さっさと書類片付けてください!」
少し荒んだ口調で噂の御仁は一喝する。
「マジでセンパイどうしたんスか?」
久我照紀は少し怪訝そうに声をかける。それもそのはず。
普段温厚な人柄が印象的な先輩は手伝いに来て早々、黙々と書類作成に励んでいた。
「気を利かせてそこのツンデレ眼鏡ちゃんがお茶を淹れたのに一切手をつけてないし・・あ、もしかして生・・・」
全てを言い切る前に後ろにいたインテリメガネが口と鼻を塞いできた。
「空気読めよ。このドチビが」「んががぁー!??」
口元を塞がれているため言葉にはならないが思い思いの暴言を叫ぶ。
「そうだぞー。久我こいつのコレは生理よりタチが悪いからな
下手に怒らせたらペンが飛んでくるぞ・・・っと!」
顔スレスレを鋭利なものが横切るが軽やかに避ける。
「さっきから無駄口叩いてるけど随分余裕じゃない?何手伝う気あるの?ないの?それとも死ぬ?」
「はいはい。手伝いますってだからそのシャーペン閉まって」
降参とばかりに手を上げて書類整理を再開する。
「でも、流石にアレはビックリだったよ。何?アンタ初期刀だけじゃなくて変刃にも愛されてない?」「やめてよ。あまりの衝撃に早々に刀解もしくは長期遠征で遠ざけたんだから」
結果を言うとレア刀枠は来たのだ。が、その結果は凄まじいものだった。
幼児趣味の短刀。人妻狂いのショタ。ニート。村正三振りに亀甲二振り歌仙が四振りほど来た。
焚きつけた明紀も昨日は流石にその惨事を見て笑えなかった。
「まぁまぁお目当ての妹用のお目付役は来てくれたんだし良かったじゃん。」「まぁね」
そうなのだ。先程読み上げた刀以外にあともう一振りだけ来た。
彼は今頃家で妹と一緒に遊んでくれていることだろう。