第3章 一章
「あれ?貞ちゃん。どうしたの?」
「おっ!みっちゃん。珍しいなぁここに来るなんて。」
練度がカンストしてる上、出陣なども出来ない身の上の為手入れ部屋に来ることが滅多にない燭台切光忠に明るく声をかける。
「うん。主に短刀達の手入れを任されたからね。」
「あーお邪魔か?」
「もう手入れは終わってるよ。ご飯までもう暫くかかりそうだから、宜しくね。」
そう言って、『貞ちゃん』こと太鼓鐘貞宗の後ろにいる理美の頭を優しく撫でた後、手入れ部屋から出て行く。促される様にそろり、と前へ出れば
「何だ、おひいさん来てたのか?」「怪我も無いようで良かったです。」「頑張って良かった」
所々、傷が目立つも元気そうな短刀の姿。
「ごめんなさい。怪我させて」
「いや、無事ならいいさ」「僕達は短刀だからね。主を守れずにいた方が問題。」「傷一つなく本当にようございました。」
「でも、頼むから今度はあんな真似してくれるな。今回は運が良かっただけだ。」
そう言って真剣な表情でこちらを見る。短髪の髪に鋭い灰色の瞳
「うん。わかった。厚兄」「おし!」
優しく頭を撫でられていると
外から絹を引き裂いた様な悲鳴が響いた。