第3章 一章
「で、集金はまた今度にしたって訳?人が良すぎないか?」
「仕方ないでしょう、ない袖は振れないし、今あるのでとか言って手持ち分貰っても雀の涙よりさもしいよ。3円で何買えってのよ」
デコピンがわりに弾いてやろうかと本気で考えた。
「さてと、今日は早めに帰るよ。家でちょっとトラブル起きたみたいだし」
「また機械壊されたの?今日は外食するかなぁ」
「台所が壊れたんだって」「お前の家台所ってよく壊れるよな。年に一度は壊れてる気がするぞ」
人ごとのように、竜胆は笑ってるが、今年はまだ半月と経ってないのに既に3回程壊れたのだ笑い事ではない。
「任せるわ。とりあえず修理に時間かかるかも知れないって事だけ頭に入れといて」
幸いにも我が家は野営用の備えはバッチリだ。最悪台所が全壊してても、火を起こせれば何とかなるものだ。とも、悟っていた
が、
「これは、ないよ」
「ご、ごめん。」「申し訳ありませんでした」「すまんな。大将」
謝罪をしてきたのは本日非番ゆえ、留守を任せていた。刀剣達。
さらに言うと、本丸を半壊させた刀剣達だ。
「台所についてしか聞いてないよ?」メール読み流したっけ?
額に手を当てて思案するもそんな記憶はない。
「うん。その後でとりあえずご飯だけでも炊こうと庭で準備してる時に、」
「新刃達が門から外にに出ようとしたのを見つけて総出で止めに入って乱闘になり」「更に、お姫さんがまた鍛刀部屋に入って、今度は鍛刀しようとして、結果バグが起きて、部屋は半壊」
「で、きわめつけは、ご飯炊くように起こしていた火の番を忘れてボヤ起こした。と。」
深いため息をこぼし、
「で、そこに正座待機してる子が今回顕現した」
「千子村正デス」「亀甲貞宗と申します。ご主人サマ!」
「にっかり青江だよ」「薙刀、静形だ。よろしく頼む」
「うちの初期刀の胃を早速痛めつけた問題児達か。確かに幼児の目の毒だな。出陣以外での戦装束の着用は禁止。
多感な年頃の子がいるので言動には十分気をつけなさい。
守れない場合はそれなりの措置を取らせて貰います。薬研達は手入れ部屋へ」
これにて刀剣達の説教は終わった。
その後、何だかんだ早めに帰宅してきた明紀が村正と鉢合わせて乙女チックな悲鳴を本丸中に響かせることはまだ誰も知らない。