第3章 一章
門番用の式神に聞くと外出はしてない事を聞き、さて何処に隠れているのか思案してると、悲鳴が聞こえてきた。
方角からして鍛刀部屋だ。
「どうやら、あちらに向かったようだね。」
夜に出陣を控えていた歌仙も騒ぎを聞きつけて起きて探してくれた。何だかんだ。理美の事を大事にしているのだ。
「とりあえず無事で良かったな。」「そうだねカネさん」
皆、安堵の溜息をつき、急いで鍛刀部屋のある方へ向かう。途中で、
「あ、光忠さん!」
理美を背負った乱藤四郎。がこちらに向かってきた。
「コラっ!りっちゃん、今日は鍛刀部屋来ちゃダメって言ったでしょ」
「乱、どうして断らなかったんだ。」
「ご、ごめんなさい。」
ゆっくり理美を下ろしてから頭を下げて項垂れる乱。
「そういえば、厚くんや薬研くんは?」
「そうだ!二人が大変なんだ!」
「へ?「アあ、ソコにいたんデスネ。」
見知らぬ声がして、振り返ると、鍛え抜いた筋肉質な身体に申し訳程度羽織られた様に面積の狭い布。薬研達の刃を浴びたのか所々破れ尚際どい。
その刀剣は理美を見つけると。
腰をおり、
「それでは、小さなアルジとの再会ト、初勝利を記念シて、脱ぎまショウカ!?!」
そう言って胸元の布を勢い良く裸させようとする。
「せめて雅に散れ!」「お覚悟!!」「ソラヨ!」「闇討ち、暗殺、お手の物!!」
脱ぎ出す前に阻止してくれた。良かった。本体持って来てなかったからどうしようかと思った。
「えっと、この刀は鍛刀部屋から」
理美に聞くと頷き、
「せんごむらまさ」
妖刀と名高い村正一派の刀か、妖刀というに相応しい 妖しい刀だ。
他にもにっかり青江くんや亀甲貞宗といった何とも際どい刀が来た事を掻い摘んで乱が話してくれた。
・・・・
・・・・・
「およ、メールだ」
学内を歩いていると軽快な音楽がスマホから流れてきた。開くと歌仙からだ。
「・・・・・。」
中には服が破れかけて嬉しそうにしている男と、縄で縛られて何故か喜んでる男と怪しげな微笑みでこちらを見てる男と何故か腰にタオル巻かれた男。
文書
『新しい刀が来た。後で覚えておくといい』
何があったか知らないがとりあえず寄り道せず帰るとしよう。