第3章 一章
食べ終えて早々にバイトに出てしまった。神菜を見送る。
その背後で冷たい視線に晒され、重い首を傾ける。
案の定、ここの住人が怖い顔して明紀を睨んでいた。
「何で、主止めてくれないの。」「悪化したらどうするんだよ」
「いや、止めはしたけど。アイツ人の話基本聞かないもん。ついでにバイト代わるって言ったら凄まじい顔で睨んだよ!?」
帰路の途中だって、確認したのだそしたら怖い顔して断られた。学校で話していた時の比ではなかった。
「まぁ、私だって別のバイトあるし、本当は未成年者は深夜のバイト駄目なんだよ!?それをアイツ・・・マジでどんなコネ使ったのか教えてくんないかな??」
「あんたも何だかんだで我を通すよな」
白いアンちゃんが、煎餅片手にそう言った。
「負担を考えてんなら、遠征だっけ?出陣の回数増やしたら?その方が助かるんじゃない?」
「それが出来ればやってるよ。今の僕らじゃ練度が足りないからね。家の事は任せてって言ってるのに、僕だって頑張れば料理くらい」
「そう言って、毎回あの子が焦げた飯弁当にして食っていたのを何度も見たんだが」
正直手伝って貰おうかとも思っていたが、光忠の不器用さに唖然となって、結果、食器と調味料取ってもらう以外台所を動かないでもらった。
「まぁ、いいんじゃねーか?今日の飯はギガうまだったし、ちっこい姫は主と一緒にいられてご機嫌だし。それに、今日のばいとは夜遅くまでかからないんだろ?」
「遠月学園内の仕事じゃないからね。さて、と。私もバイト行ってくるわ。」「わかった。戸締りするけど、鍵は外に隠しておくから」
そう言って明紀も家を出た。
バイトも無事終わり。帰って来たのは深夜近くになったそうな。
(あれ?アキちゃんどうしたの?)(いや、バイト終わって家入ろうとしたんだけど、鍵が見つからない。)
神菜に無事に開けてもらった。因みに後で聞いた話では。鍵は池の岩石園に隠していたらしい。