第3章 一章
「やれやれ、何で電子レンジに生卵投入するかなぁ」
お弁当は今朝置いておいた通り、居間のテーブルに置いてあった。 一体どこを探していたのか聞きたい。
お弁当が居間にある事を一度確認してから台所に行くと前述した通り、とある人間が生卵を電子レンジに投入された後だった。
ついでに帰ってきたので味噌汁も作ろうと竃の傍にいたものの途中で背後から爆発音がして驚いた。
ついでに手元が狂って手に熱湯がかかってしまい今現在神菜は包帯を巻いている。
とある人間は『ゆで卵を作るつもりだった』と供述していた。
電子レンジでもゆで卵は作ろうと思えば作れるがそんな方法教えてないし、小学校時の家庭科教科書には書かれていない。
幸い怪我人は神菜だけで電子レンジの傍近くにいた理美は、爆発音に驚いた様子だったが怪我はなかった。
とある人間はそのまま電子レンジを確認しようとしたので一喝してそれを止めた。本来なら説教をしたいところだったがそれを飲み込み学校まで戻ってきた。
確認した中で設備に不備が見られたのは全部で五つ。内3つは簡単に直せるので早々に片付いた。が残り二つは業者に頼むしかなさそうだ。一応自分のバイト先の会社を紹介したがどうするかはそこの責任者の判断だ。
「あとは丼研の空調かぁ、小西さん。絶対掃除サボったなぁ」
汚れを落として動くようになれば良いが、これが終わったらまた会議室に戻って書類の整理だ。
「唯一の救いは、利き腕じゃなかった事だけど。」
どうしたって夜間工事のバイトは休むしかない。
事務仕事のバイト割り増ししてもらえれば良いがソレが難しい場合叡山さんに少し相談してみようか
と思考を巡らせていて
「きゃっ!?」「うぉわ!?」
前方不注意でぶつかってしまった。しかも、条件反射で倒れるのを阻止しようと相手を引っ張る。
「え、えりな様大丈夫ですか!?」
「ええ、私は平気ですが」
火傷した方の手で・・・あまりの痛みに悶絶。
「あ、あの、大丈夫ですか?」
「あ、はい。まぁ、とりあえず。そちら様はお怪我の方は?」
「ありません。」
「そうですか。すみません。余所見をしていて、」
「全くだ。今度から気をつけるように」
深々と一礼してその場を後にする。