第3章 一章
「それじゃあ、バイトに行ってくるねー。出陣と遠征は申し訳ないけど携帯で随時指示するから。あとお願い。理美、先に休んでなね」
既に夜の11時が過ぎた頃にそう言って出掛かる準備をしだす神菜。
「おいおい、こんな夜遅くにか?」「大丈夫なのか?」
「夜は危険だぞ」
家の住民がオロオロとし出す。かくいう明紀も驚いていた。夜間バイトを始めると聞いていたが22時くらいの時間までと思っていたからだ。そして、今日は急遽休んだのだろうとも
「お前未成年労働基準法に引っかかるぞ。」
「密造酒製作した犯罪者が何を言うか。」
こいつらどっちもどっちだ。
「大丈夫。遠月学園の敷地内の清掃と壊れた備品の修理とか工事の手伝いとかだけだから。」
遠月学園は料理を極めるためならどんな事も厭わない。と豪語しており。その学園内にいる限り治外法権みたいなところがある。
「結構、儲かるよ?まぁノルマがキツイけどそれでも毎日コツコツやって日雇いの料金にしておよそ五万。技術も必要だけどね」
「そんなに!?どうしようまだ募集してるかな?って、体力もたないよー。もうちょい早めの時間に簡単なバイトを」
「すると、理美との時間が取れなくなるからね。約束したからね。自分の事、理美の事。どっちかしか取らないんじゃなくて、どっちも疎かにしないって。本当は朝、昼、夕で区切ってバイトとかも考えたんだけど学校あるしね。んじゃ遅くても2時には帰って来れると思うけど戸締りヨロシクー」
そう言って出て行ったが。
「いくら学校内とはいえ行き帰りは危険だろうが誰か送っていった方がいいよ?あの辺の通り学校近くってこともあって学生以外の人通り少ないぞ」
この間は敷地内に変質者出たという噂を聞いたがそれは伏せておこうと明紀は思い。とりあえず周辺の地理を教える。
「あぁ、それは大丈夫。歌仙君が途中まで見送りするし、その後は主、電話繋げておくし、それに、いざとなればね」
その目は鈍く光っており不穏な空気を漂わせていた。
「そうだ。光にいが過保護なの忘れてた。」