第3章 一章
話について行けず、頭に疑問符を浮かべていると、人の気配がして振り返る。
艶のある肩口まで伸ばされた髪を頭の上の方だけ縛り結い上げた派手な衣装のやや猫目の愛嬌のある金色の目の少年と小学生くらいの短い髪のスーツ姿の素直そうな少年。そして、その二人後ろで控えている全身白づくめのメガネをかけた男。
どれも見覚えのない人達だ。
「声がすると思ったらやっぱミッちゃんだった!」
「貞ちゃん!?」「ここは何処なのだ?」「ふむ、」
「な、何故皆様が?」「新たに鍛刀で顕現される刀剣達さ。よっ!俺みたいのが来て驚いたかい?」
声の方へと振り返ると。真っ白な髪の儚げな風貌の美しい青年がいつの間にか居間に入って来ていた。
「鶴丸国永」「あんたが当代の主人か?」
そう問いかけられ神菜が居住まいを正して頭を下げる。
「お初にお目にかかります。この特別本丸の管理と審神者をしているものです。こちらは私の妹御です。姉妹共々お見知り置きください。」
「いや、あんたが俺たちの主人ならばそんな畏まらなくていい。
おひいさまもまだ小ちゃい事だし硬い挨拶は抜きにしよう。」
「我が主人よ。俺は巴形薙刀だ。よろしく頼む。」
「ぼ、ぼくは謙信景光だ。け、けんしんこうのかたなだったんだぞ!」
「俺が貞ちゃんこと太鼓鐘貞宗だ!ミッちゃんとは前の主人が一緒だったんだ。よろしくな。ミッちゃんや鶴さんにこんなに早く会えて嬉しいぜ」
「僕もだよ、貞ちゃん。僕は今はこの本丸一番の古株だよ。お家の勝手がわからなかったら僕に聞いてね?」
「僕は歌仙兼定、主の初期刀だよ。
「??どういう事だよ?」
「僕は特例で前の主人から今の主人に託されたからね。皆とは少し違うんだ。」
「待て光坊、それじゃあ
ぐきゅるるるー・・・・
鶴丸国永が何か言おうとしたのを腹の虫に遮られた。
音の主は小さな女の子。
「うぅー、」「ごめんごめん、お腹すいたもんね。そろそろご飯にしよっか!」
光忠はニッコリ理美に笑いかけて台所へと向かう。
「こら、君は今日はもう台所立つんじゃない!」
こうして鶴丸国永の話はお流れとなった。