第3章 一章
「うぅー、疲れたー。大体何で部外者のアタシまで手伝わないといけない訳。判子押すのもうやだー。活字見るのももうやだー!つーかーれーたぁー!!」
「それだけ、文句言えるなら大丈夫ね。お茶入れてくるから少し休んでなさい。」
「先輩、私が淹れますよ」「いえいえ、皆、自分の仕事だってあるんだから。こういった仕事はこっちに任せてください。」
そう言って部屋を出て行った。
「ねぇ、本当に帰っていい?大体部外者がここにいちゃ駄目っしょ?」「俺たちは構わないけど、」「それすると水志、暫く口聞いてくれなくなるぞ」「ウゥ"〜、あと3日でバイト探さないといけないのにー、どっかいいバイト先知らない?」
「俺はスポンス専用っすから」「そこのおさげちゃんの実家で働かせてもらったら?」「却下です。そもそも、折敷先輩って成績まずいんじゃありませんでしたか?」
「ん?まぁ、それは置いといて。そろそろバイト先探さないと次の日のご飯が」
「そんな事言うなら、何で貯めとかないかな?」
湯を沸かしてきた神菜が呆れ混じりに言う。
「貯めといてるって、でも、家賃やら交通費やら光熱費水道代やら食費でまず大半消えるね。」「アキちゃんの場合はまず食費を無駄にかけ過ぎ、自給自足、ついでに食材の費用自体ももっと削れるから」
「その上今回学費で貯金の殆ど消えたー。家賃も二ヶ月滞納してるからこのままだと城からおんだされる」
「学費の方待って貰えば良かったのに」
「そもそも、お前の家から学費は払ってくれてんじゃないのかよ」
「折敷家といえば、懐石料理の名家だし、そこまで気にする事は」「ばっか!んな事したら一生あの家継がなきゃいけなくなるだろう?」
明紀は家の人と折り合いが悪いらしい。勿論、人となりを嫌ってはいないらしいが料理の価値観が違うそうだ。
「料理ってのは、食べる人に楽しんで貰うものだろ?アタシは格式張った、堅っ苦しいもんばっかりの懐石料理を作りたくないの!それ言ったらキレられて、ここ入れられたの。んで、一人で自活して学校無事卒業出来たら、好きにしていいって言われたの!」
「結局料理学校入って、日本食系統に特化しているような気が」
「卒業出来れば良いのよ!んで卒業したらそれから別の道進む!至極簡単な道だろ」
「そう言うんだったらまず成績どうにかしようよ」
本末転倒である。
