第3章 一章
「とりあえず、あんたに頼まれてたノートはこれで全部だよ。コレ本当重かったんだから」
「ありがとう、アキちゃん」
先程から一緒に食事をとっていたのは晴れて同じく遠月の三年となった友人。『折敷 明紀』。彼女も決して学年で優秀とは言えない成績ではあるが、面倒見がよく世話焼きの為何かと力になってくれるいい友人だ。
サバサバした性格と外見が合いあまって女子に人気がある。同い年なのに姉御肌でつい甘えてしまう。
「本当にノート貸すだけでいいのか?」
「これ以上頼んでも、お互い困っちゃうでしょ?」
一緒に自主練じゃないが料理を作って実食を繰り返すのは私にとっては良い事だが相手に特することはない。それ以上に
「まぁ、お互いバイトやらでいろいろ忙しいわな」
お互いお金持ち学校に珍しい苦学生でバイト掛け持ちしていた。
「そういう事。割りのいいバイト情報ならぜひ、聞きたいけど」
「それは私も聞きたい。・・・この間のバイト。羽振りがいい割りに結構なブラックで別のバイト探してるとこなんだ。」
「お互い苦労しますね。」「アンタは休学してたしもっと大変でしょ?」「うーん。単位は何とか二年の半分は取れてるし、一応休学中に書いたレポート提出は済んでるからあとは試験だよね。実はチャペル先生に来るように言われてるんだ。」
「・・・・・・。」「・・・ちょっと、手を合わせるのはやめて頂けません?!」
チャペル先生は遠月学園教師の中でも特に厳しくて有名なのだ。
緊張と不安が益々ひどくなってしまった。
「まぁ、元々そんなに成績悪くは無いんだし、F取っても問題ないでしょ?」「補習になるよー、これ以上。理美のご機嫌損ねたくない」
先程、光忠から送られて来た添付ファイルを見せる。
「あー、こりゃ拗ねてるわー。可愛い」「でしょー」
畳の上で腕に顔を埋め丸まった姿。通称『ごめん寝』
「一人でお留守番させてる訳じゃなかったのね。」
「うん。でも、前より静かになったからきっと、不安なんだよ。せめて遊び相手がいてくれればとも思うんだけど」
「・・・・私は、それよりかちゃんとした飯が、作れる人喚んだ方がいいと思うよ?」
1つだけ残った。私のお握りを食べたアキちゃんは言った。
因みに彼女は一口でダウンした。