第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
「それでは、長居をしてしまい、申し訳ありません。」
「全くです。来るなら来ると事前に連絡なさい。客人が来たと騒いでたので食事の準備をしたというのに」
「まぁまぁ宗三くん。向こうにも都合があるんだし抑えて、あ、これ良かったら、本丸の皆と食べて?
今度会うときはゆっくりしていってね?」
やんわりと微笑む燭台切光忠と少し不機嫌そうにいう宗三左文字がこの本丸の厨房責任者だ。
「すみません。お土産まで貰って、」
中味は花神姫本丸に咲く花の花弁を砂糖や生地に練り込んで作ったクッキーや練り切りだ。
「いえ、お土産、貰いましたし。これはあくまで牽制です。日本随一の料理学校の生徒だかなんだか知りませんが。うちはうち他所は他所です。素人でも長年培ってきたスキルでここまで出来るんです郷に入っては郷に従え、ここのルールをまともに守れないような奴は叩き出すつもりなので覚悟しておくように」
「意訳すると、『日本随一の料理学校生徒さんが来る事がとても楽しみです。これを気にうちのご飯のさらなる飛躍の為此方も存分に技術を盗むし指導を受けたいのでよろしくお願いします。』って事だから」
表情的に意地悪な小姑みたいな顔つきなのだが、とりあえず頷いておく。
って、私お土産なんて渡したかな?歌仙が何か渡したのかな?
「また、いつでもいらっしゃいな?一応結界通れる様にしておいたから」
「また、貴女は勝手に」「ウヒョー流石、彩ちゃん最高!」
「あぁ、サワラは出禁だから、ほら、チビ's。ちゃんと挨拶は?」
「お泊りしてかないの?」「今度はいつ会えますか?」
亀甲貞宗や村正の背に隠れるようにして此方を見るこの本丸の子供達。
「研修もあるのでまだハッキリとは、もしかしたら妹の方が数日ご厄介になるかもしれません。その時は優しくしてやって下さい」
目線を子供達の高さに合わせてそう頼むと、力一杯頷く。
「また遊ぼうね?」そう言ってお見送りされた。
………
「行っちゃいましたね。さて、と、今ちゃん送り返す為にヒーちゃんの所に連絡しないと。色々話したいし」
「あ、ついでに桜純米吟醸持たせておくよ。あいつ向こうの日本号から酒、分捕ってきたみたいだよ」
後日聞かされたが、お土産の真相は竹花姫本丸の刀剣妖精が、刀剣男士から分捕ってきたお酒を持ってきてくれた。……らしい
