第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
「さて、多忙な審神者様をここに留めおくのは申し訳ないから、早速、お仕事の話をしましょうね。すず、つむぎ。神菜ちゃんと大事なお話があるからお外で遊んでなさい。」
「ええー!」「やだぁ!」
「また我儘言って。母さん知ってるのよー?二人共〜、まぁた鶴達と一緒になって本丸中にイタズラ仕掛けたの?皆にバラしちゃおうかなぁ〜?それと、そろそろ和泉守が諦めてこちらに来る頃ねぇー」
「「遊んできまーす!!」」
ドタバタと離れから出ていく子供達。母は強いのだと改めて知る。
「まったく、やんちゃで困ってしまうわ。ヒーちゃんところのコウ君を見習ってほしいわね。」
頬に手を当て困った様に、ため息を一つつく。
「いえいえ、子供はあれ位元気な方がよろしいかと」
「そうそう、大体、主の子供がコウくんみたいに礼儀正しく気配り上手になったら気持ち悪いよ。まぁ少し大人しくてもいいけど。ヤッホー、笹風。久しぶり」
後ろから少し不躾な物言いの刀剣男士が入ってきた。
色白の肌に艶やかな真紅の瞳と爪紅をつけた椿柄の着物を着た刀剣男士が音もなくこちらに近づき、お茶とお茶菓子を持ってやってきた。
「お久しぶりです。花守様」
座ってお茶を置く際に長く伸びた髪を止める赤と白、そして金色の紐で編まれた花飾り。その蕾の部分についた小さな花の形の鈴がチリ、と鳴る。
「清光、ちょっと酷くありません?まぁ、否定は出来ないわね。何せ片親が私だからね。」
「嘘嘘、どんな二人でも可愛いよ?俺の彩の子だからね」
お互いの顔を優しげな眼差しで見る二人の男女。
審神者の短く切り揃えられた髪の右側には今し方部屋に入ってきた刀剣男士の髪についた飾りと同じ飾り紐、そして左側には白い和紙で出来た髪留め。断定は出来ないが同じ飾り紐をつけた刀剣が我が本丸にいる。
そして、お互いの名を・・・しかも片方は情愛を込めて呼ぶ。二人は・・・つまり、まぁ、そういう事だ。
「それで、今回の件だけどね。勿論力を貸したいと思ってるんだけど、・・・ 大丈夫?私の本丸に来て??」
この審神者・・・ 彩様は花神の末裔で隔世遺伝により特異体質を持っているらしく、それを危惧して研修の要請を断っていたらしい。
その特異体質というのは