第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
主に頼まれた為、持ち帰るつもりの本を抱えたが、さて、どうしたものか。
勿論、主人の命は遂行する。とはいえ、主を置いて先に帰ってしまうのは、刀剣男士の本分としては些か、否、かなり頂けない。
加えて、本日の近侍、というか本丸不在時の監督がへし切長谷部だ。主を置いて先帰った。と聞いたら、延々と小言を聞かされる事になる。それは避けたい。
が、主の行う。空調整備やらその他諸々機械修理系は我々刀剣男士達には総じて不得意な事。
足を引っ張りかねない。その辺で筋トレでもするか。
幸い、普段よりか負荷は軽いがそれなりにいい感じの重さだ。
そしてこの場所は辺りに鬱蒼と木々が生い茂っている。懸垂、スクワット、ジョギング。色々と楽しめそうだ。
と、思っていると何やら畑が騒がしい。
「おい、コレどうすんだよ?!」「ま、マズいぞまだ、畑耕してもいないんだぞ」
先程玄関であった人間だ。視界の先にはよく見えないが折れた作物。どうやら加減を間違えて収穫前の苗木か何かを折ったらしい。
普段ならば、人に手は貸さない。が、同田貫正国は今、絶賛暇を持て余し中。本を木陰の隅に置いて腕をまくる。
・・・・・・・・・
マズい、非常にマズい。この苗は一色先輩が今異常なほどに溺愛してる苗木だ。
それをあろう事か折ってしまった。故意に折った訳ではないが、折れたと知れば大激怒だ。仕置きは免れない。それもこれも、自分と何かと張り合う相方が、・・・いや、やめよう。今はそんなことを言ってる場合では無い。早く、これを何とかしないと、早急に迅速に
「んだぁ、ウチの苗木じゃねーか。ったく、支柱も用意してねーのかよ。」
低くよく通る若干ドスの効いた声がすると思ったらいつの間にか、先程荷物を受け取りに来たアルバイトさん(仮)が、何やらゴソゴソと苗木をいじり出す。
「うっしっ!これでいいだろう。」
折れた茎を含め数カ所を簡単に支柱に括り付け紐で結んだ状態の苗木。
「おい」
ビクゥッッ!アルバイトさん(仮)から声をかけられ俺と相方が直立姿勢で固まる。
「何処から何処まで耕起すりゃあいいんだぁ」
鍬を片手に耕し終わってない整地された土地を指差して聞かれた。
((アニキー!!!一生アンタについて行きます!!))