第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
「いらっしゃい!待ってましたよ!」
極星寮のチャイムを鳴らすと同時に一色君が出迎えてくれた。
スーツ姿でネクタイもバッチリ決めていて何処のホストかと一瞬戸惑いを覚えつつも挨拶をする。
「お邪魔します。と、いうか。どうしたの?皆さんでお出迎えって」
よくよく見ると寮生皆でお出迎えに来てくれたらしい。
「いや、何か手伝う事あるかなって?」
「力仕事とか俺たちがやりますよ」
とガテン系の身体つきをした寮生2人が手を挙げてくれた。
「ありがとう。とりあえず重いもの運べる様に手伝いを連れて来たから心配いりませんよ」
「ああ゛?!んっだよ。せっかく暇ができたと思ったのによぉ。
ったく、・・・・・・・コレか?」
本丸から持ち出した本を荷台から下ろす作業を終えた同田貫正国は面倒臭そうにしながらも渋々と、持ち帰るダンボールを担ぐ。
「あぁ、待ちなさい。荷台の本、部屋に運ぶから手伝ってください。 という訳で此方は大丈夫です。 畑のお世話、まだでしょ?
いってきてください」
・・・・・・
・・・・・・・・・
「あ、やっぱりここにあった。一応コレ持って帰ろう。」
「おいおい、まだあるのかよ」
本を収納がてら整理してると必要そうな本が一冊二冊と増えていく。それは際限なく。
荷物持ちがいるからついつい増えてしまう。
「つーか、何でこんな所に審神者の指南書や軍記やらがあるんだよ。・・・おいおい、戦績書まであるぞ?!」
本丸内には何処探してもなかったがまさかここにあるとは。
「あー、本丸だと、敵襲来て、情報漏れしても困るから、ってここに。 幸い本丸の戦績書とかは日々パソコンで政府に連絡して送ってるから別段困らないし、向こうのパソコンもこっちの本棚も私の声紋と指紋、筆跡でしか開けられないから大丈夫。興味があるなら持って帰っていいよ」
「んなもん読むより、戦で実戦積んだ方がはぇーよ。」
ペンは剣より強し、というのだが経験に勝る知識なしを地で行く刀だなぁ。
「大体、これ以上本運んで入るのかよ?」
「間違いなく、床か部屋に本の山が出来ますね。はい、すいません。この本片付けたら部屋の空調直したり作業するから、本持って、先帰っていただいて構いませんよ」
「おー」
それだけ言って相方は部屋を出た。
