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幸福のレシピを貴方に。(食戟のソーマ)

第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?



 最初に目が覚めた場所は今もお世話になってるかかりつけの病院の個室だった。目が覚めた時、誰もいない真っ白な知らない天井があって、此処が死後の世界なのだと思い、安堵感にも似たため息をついた後眠りについた。子が親よりも先に死んだ場合、賽の河原に行くと言われているが、存外良いところなんだなぁと思ってた気がする。

 それから暫くしない間に此処は現世だと知った。
『この間入院した子って?』『ああ、あの急患で入った。』『聞いた話ではみつけた時にはもう餓死寸前で』『あんな小さな子が、かわいそうに』『ご両親は?』『それが今・・・』

 来る日も来る日も看護師達の話を眠りながら断片的に聞き取っていた。
どうやら、私はまだ生きているらしい。

 『もう大丈夫だよ』『大変だったね』『すぐに元気になるからね』『そしたら、迎えに来て』
 それを悟った瞬間、目から涙が溢れてきた。
 寝ている間も看護師さんや先生は私に、優しく声をかけてくれたが、涙は止まらなかった。心は、泣き叫んでいた。
 
 元気になったところで両親は迎えに来ない。
 ただ、辛い現実だけが待ってると知っていたから。


 そして、次に気が付いたのが・・・、

 
誰かに背負われて、山道の奥深くへと向かっていた。

 記憶が曖昧で良くは覚えていないが、家の迎えの人が来て引き取りに来たそうだ。が、両親からの使いではない事はしっていた。
 両親共に、自身の実家、正確には親族を毛嫌いしていたから。
 家の者に使いを出す人ではない。使いだとしても両親に引き合わされる事は一切ないだろう。

 

 『さぁ、もうすぐ着くよ。皆、ここに貴女さまが来るのを待ってたんですよ』

 そう言ったのは祖母だったか、祖母の刀剣の中の誰かだったのか、今はもう覚えていない。
 
 だけど、

 『さぁ、ついたよ。おかえり。』

その背中に背負われて、優しく、頬を撫でられて、酷く心地が良かった事は鮮明に覚えていた。

 
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