第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
「ダメです」
扉を開けて入ってきたかと思えば部屋を見渡してから開口一番にそんなことを言われた。
「いや、幾ら何でも端折りすぎ、例の件無理だって」
「えーーーー!!!?何でさぁ、良いじゃんかよー」
「ダメです。大体何でまず私に聞かないで居候に話通した?
普通家主だろ?こっちの都合考えて。無理なものは無理。
こちとら苦学生でバイト三昧、年中無休の上、今回の研修の件で色々と先方に話し通さないといけないし、ノルマ増し増し業務巻き巻き、『死ぬまで働け、休むな。馬車馬が』状態なの。誰か、本当代わってくれない?」
「えっ!代わっていいの?」「ダメに決まってるでしょ」
どっちやねん。とツッコミを入れたいところだが、ご機嫌斜め状態の神菜に何かをいう勇気は竜胆になかった。
「とにかく、いきなり遊びに来られても応対できません。
おもてなししなくていいからというのは却下。
家に来た以上最低限のおもてなしをするのが家人の役目。
申し訳ないけど、ウチにそれ出来る人間がいない。」
幼児とお刀様達だからなぁ。
「明紀にゃんがいるでしょ?」
「曲がりなりにもこれ居候、家人ではない」「これ言うな!」
「居候なのだから少しくらい働いてもらえ」
「一宿一飯の恩義は返すのが人としての務めだぞ」
「なーなー、マジでお茶とかおもてなしとかそういうのいいからさぁ」
「あの、みんな、そろそろ仕事を」
バン!
机を振りかぶった掌で叩く
「とにかく、今度の休みに来たところで私は応対できないし、応対を任せられるヒトがいないの。だからその日に来ないで以上。
散会。仕事してください。」
それだけ言って出ていった。