第1章 雨の日のkiss(菊丸夢/甘)
「は、離して下さい」
菊丸の腕の中から出るためにもがく莉那だが、
意外に力が強い菊丸に敵うわけがなかった。
出ようとすればするほど抱きしめる力が強くなる。
「やだ!だって離したらまた逃げちゃうでしょ? ね…莉那ちゃんこっち見てくれないかにゃ?」
「……恥ずかしくて無理です!」
「そのままで良いからさ、一個聞いてもいいかにゃ?」
ああもう逃げられないと思い、
莉那はコクリと頷いた
「ありがとー!んじゃちょっと教室戻ろっか?廊下じゃ…俺も恥ずかしいし」
「はい…」
今来た道を戻っていく菊丸と莉那