第1章 雨の日のkiss(菊丸夢/甘)
教室へと戻って来た二人。
沈黙を破ったのは菊丸だった
「フウー…まだ雨止まないねー」
窓側まで行き、窓ガラスに付いた雨粒を指でなぞる。
「そうですね…早くテニスがしたいです」
莉那も窓側まで行くが、少し菊丸から距離を置く。
「そだね!…ってその話するつもりで戻ってきた訳じゃ無いぞ~!」
距離が空いてるのが気になって
菊丸が近付いてくる
「ううっ…」
「もー!そんなに焦らしても、俺、嬉しく無い!」
「きゃっ」
窓と菊丸に挟まれて身動きがとれない
窓ドンされてる事に気付きまた顔が紅潮していく莉那
「莉那ちゃんすんごい恥ずかしがり屋さんだから、俺から言うよ?」
「は…い」
「あのね、ずっと前から君のことが大好きなんだ!付き合って欲しい!」
「え、英二先輩…」
「さっきの会いたいって言葉を聞いてさ、もしかしたら莉那ちゃんも俺と同じ気持ちなのかな、って思ったんだけど違うかにゃ?」
「私も…英二先輩の事がその……だ、大好きで、す」
「本当に!?やったぁ!!」
チュッ
「っ…!英二先輩!」
「えへへ!可愛くてちゅーしたくなっちゃったにゃ」
「恥ずかしいです……もし誰かに見られたら…」
「だいじょーV!俺に隠れてて莉那ちゃんの事は見えないから!」
ね、もう一回、しよ
でも…
良いから!お願い!
今度はカーテンの中に隠れて
先ほどより長いキスをした。
雨の日のkiss
【完】