第6章 ブラッドオレンジ(越前リョーガ夢/悲恋)
男の人に可愛いなんて初めて言われた…
顔を真っ赤にして俯いた私を覗き込むリョーガ
「え、何?もしかして、莉那照れてんのか?
此くらいで照れるなんてウブ過ぎだろ」
カッカッカッと笑うリョーガを見て
からかわれただけだったと実感して
もっと恥ずかしくなる。
「…っ!……ち、違います!もうオレンジ渡したんだからあっち行ってください!」
はいはいと
怠そうに返事を返して私の前から姿を消した。
「あの人、なんだったんだろ…人の事からかうなんて……」
もしまた来たとしても絶対相手にしない!
そう心に決めた。
でも、その日以来、リョーガがオレンジ園に立ち寄ることは無くなった。
もう忘れようと思っても
あのニッと笑う顔が、声が頭から離れなくなってる
自分に気が付いた。
嫌だと思っていたのに、いつの間にか好きになってる…