第5章 恋花火(不二夢)
「じゃあ、もう寝るね!」とお母さんに伝えると、階段を上り自分の部屋に戻る。
ベッドに横になるとスマホを操作して、【明日、お母さんが駅まで送ってくれることになったよ~】
と周助にラインを送ると、直ぐ既読が付き
【それなら、安心だね。莉那だけだと心配だったから…そうだ、駅の名前も教えておくよ】
駅名を教えてもらい、笑顔のスタンプを送信する。
「ふわぁっ~…んー、ちょっと眠くなってきたかも…」
もう少しで眠れそうと思った時、ティロリンとラインが入ってくる。
誰かな?とディスプレイを見ると
「んーっ……?英二?」
重くなっていた瞼を何とか開けて、仲良しのクラスメイトから届いたメッセージを開く。
【遅くにごめん!不二から聞いたかも知れないけど、明日お祭りあるって聞いたかにゃ?】
【知ってるよー!英二は教えてくれようとしたんだよね?ありがとね~。】
【やっぱ知ってたかぁー。お祭りがあるって聞いてさ、不二すげー嬉しそうだったんだよー】
【フフッ、そうだったんだ】
嬉しそうにしている姿を想像して、にやけてしまう。
【明日、デート楽しんでな!俺達、ぜーったい邪魔なんかしないからさ!】
【英二、ありがとう!明日ね、浴衣でバッチリ決めるんだ!…あ、コレは周助には内緒にしてるから絶対言わないでよ!】