第5章 恋花火(不二夢)
「あと、莉那に紹介したい人もいるから…楽しみにしててね。…じゃあ、おやすみ」
「ん?わかったよー。おやすみ」
紹介したい人って、誰だろ?
まさか女の子…いやいや、周助に限ってそんな訳無い……よ、ね?
明日が楽しみー!
浴衣着ていこうかな?
それで、良く似合ってるよって褒められて……キスとかしちゃったり?
はっ!こうしちゃいられない。
クローゼットから浴衣セットを取り出し、キッチンにいるお母さんに声をかける
「おかあさーん!明日浴衣着せて欲しいんだけど…」
「良いけど、お祭りなんてあったっけ?」
「周助から連絡あって、合宿所近くでお祭りあるからおいでって誘われたの!」
夕飯の後片付けをするお母さんの手伝いをしながら、惚気話をする。
「あら、不二くんに会うのならお母さんも行こうかなー?」
「邪魔しないでよっ!」
お母さんは周助の事がお気に入りで、いつも付いてこようとしてくるから困り者だよ…
「冗談抜きにしても…合宿所遠いんじゃないの?近くまで車で送ろうか?」
ラッキー!
「本当に?じゃあ、駅まで送ってー」
「仕方ないわね、可愛い娘の恋路の為にお母さん、頑張っちゃうわよ!」