第4章 candy☆love(千石夢/甘)
手を引っ込めようとする莉那だが、
男の子の力には敵わないので、
びくともしない。
「…ありがとう。フィナンシェは貰うね。」
「良かった」
「でも、手は離して欲しいんだけど…」
「嫌ですって言ったら?」
「だって、初めて会ったのに…手を握ってるなんて変だよ。」
男の人と触れ合うのも三年ぶりでドキドキする。
どうしたら離してくれるか必死に考えてみるけど
何も思い浮かばなかった。
「こんな事言うのは、可笑しいかも知れませんが…俺、莉那さんと付き合いたいです。」
え?告白されてる?
いや、さっき出会ったばかりなのにいきなり交際申し込むとか
あり得ないよね…?
「なんだぁー、どこまで付き合えば良いかな?」
そう思って話をワザとずらすと
「うーん…違いますって。彼氏彼女になりたいって意味ですよ」
真剣な顔で私を見つめる千石君がいた。