第1章 雨の日のkiss(菊丸夢/甘)
莉那は菊丸と話したことはあるが、
まだそんなに親しい訳ではないので、
遠くから見ているだけで、精一杯。
近付こうにも、緊張して心臓がいくらあっても足りない。
でも、菊丸は莉那を見かけると必ず近寄ってくる
。
この前も
「あ!莉那ちゃん!やっほー!」
後ろから名前を呼ばれ振り替えると
「っ!え…英二先輩、不二先輩。こ、こんにちは……」
ドアップの菊丸の笑顔が眩しすぎて声が裏返ってしまう。
「にゃはは~!作戦成功~!ビックリした?」
固まって動かなくなった莉那を見て
「クスッ、英二、急に話し掛けたから中谷さんが困ってるよ?」
「ごめんごめん!莉那ちゃんを見かけるとついからかいたくなっちゃうんだよねー?」
……何て事もあった。