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テニプリ短編集☆

第3章 ペテン師の憂鬱(仁王夢/悲恋)


「ちょっと!何するの」



バランスを崩した莉那を抱き締めた。

小さくて柔らかい莉那の体は
力いっぱい抱き締めたら壊れてしまいそうじゃな…




「お前が好きじゃ」



「な、に言ってるのか分かんないんだけど」 




顔を見なくても分かる


お前さんが困ってる顔をしている事くらい



「仁王…お願い、離して」


「イヤだと言ったらどうする?」




「…腕を抓る」


「抓っても痛くも痒くも無いのぉ。」


残念無念また…来週じゃ



「仁王の気持ちには答えられない。」


「……分かっとるよ。」


「私ね、幸村が好きなの」

「……それも知っとる」



「じゃあ、ど…」


どうして?と言おうとする
莉那の頭を抑えて無理矢理唇を塞いだ





バチーン


「っつ!」


「…無理矢理キスするなんて!最低!初めてだったのに……


仁王のバカ!だいっきらい!」



仁王をその場に残し、莉那は泣きながら走り去って行った。






真田よりも強いビンタを受けた
仁王の頬が真っ赤に染まっていく。



大きな音に気付いたのか柳生が走ってくる姿が見えた。


「仁王君!中谷さんに何をしたんですか?」







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