第2章 アナタの隣(手塚夢/甘)
席に着きふぅーと息を吐き出すと
キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムが鳴り、憂鬱だった数学が終わった。
すると
「中谷、他に解らないところは無いか?」
手塚君の方から声を掛けてきてくれた。
「手塚君、さっきはありがとう!」
ノートを見せてヒントを出してくれた事に対してお礼を言うと
「……何のことだ?それより、質問に答えてくれないか?」
いつも異常に仏頂面をしていて
これ以上聞くなって目で訴えているのが分かったので、
もう聞かないことにする。
「えっとね…ここがわかんない。」
数学の教科書を見せると
「ほう…ここか。中谷さえ良ければ、今日の放課後俺が教えてやっても良いが」
今日良いこと起こりすぎてて怖い。
「え!良いの!?あれ、でも部活は?」
「部活は四時からだから、それまでなら教えてやれる」
夢かと思って右頬をつねってみたら
かなりヒリヒリしたから現実って事だよね!
「何してるんだ?」
「あ、良いことが起こりすぎて夢か現実かを確かめるために……」
「フッ…面白い奴だな、お前は」
あ、笑ってくれた