第2章 アナタの隣(手塚夢/甘)
もう少し話していたいなぁ…って思ったけど
担任の言葉により遮られてしまった
「じゃあ、席替えも終わったのでこのまま数学の授業始めるぞー」
「げ、数学…」
毎回必ず当てられるのが本当に嫌。
珍解答をする私に担任は呆れ、クラスメイトには笑われちゃうし…
こんな時は現実逃避だ!
隣に座っている手塚君を見つめる
はぁ…本当に整った顔立ちしてるよなぁ
眼鏡から覗く切れ長の目
指もスラッと長くて綺麗だよね
あぁ、彼女になれたらあの綺麗な手を繋ぎ放題かぁ…
羨ましいなぁ…
ん…?あれ?手塚君がこっちを見てる?
「中谷、当てられてるぞ」
「はひぃ!…あ、本当だ!ありがとう」
前を見ると担任が物凄い形相で私を見ている。
一気に現実に引き戻されちゃった…